今回ご紹介する老舗企業はなんと850年続く、お茶の通園さんです。
創業は平安時代末の永暦元年(西暦1160年)。
元祖は武士でしたが宇治橋の橋守(守護職)を仰せつかり、道往く人々に無病息災を願って茶を差し上げたことから通圓の歴史が始まりました。
24代目の通円祐介さんから“目の届く範囲”の商売を代々し掛けてこられたことで次の800年に向けての継続の想いをお話しいただきました。
企業の話を聞いていて普通に平安時代や豊臣秀吉の話が出てきて面白かったです。
ちなみにトンチで有名な一休和尚とも親交が深かったそうです。
現在の建物は1672年にできたものとか。
宇治橋は奈良と京都をつなぐ要所でした。
近くには平等院や氏神神社もあり、観光としても栄えていたようです。
そっして今回お話を伺った24代目の通円さんは現在、37歳。
子どもの頃から跡継ぎさんと呼ばれ、継ぐことが当たり前になっていたとのこと。
850年という歴史を考えるとプレッシャーがきついので今でもあまり考えすぎないようにしているが、自分が何をするかというより、いかにつなぐか、それを前提に行動していると言います。
そして、なによりここまでつないでくれた先代に感謝しているとのこと。
老舗だったので、いろいろなところからコラボ企画が持ち込まれていて以前にもペットボトルのお茶の企画があったそうですが、その時は自分のお店の名前がついたものがあちこちで捨てられるのを見るのが嫌だと思い、断ったそうです。
今でも通園のお茶の味を気に入ってくれていてリピート購入してくれるお客様も多く、今後も品質を大切にしていきたいとのことです。
片やお茶屋としてやっているお店では最近までお茶とダンゴだけでしたが、最近はかき氷やお茶スイート、さらには茶そばまで提供しています。
どの老舗もそうですが、守るべきところと変えるべきところをきちんと考えながら事業承継をしています。