京都の老舗企業をご紹介していますが、前回ご紹介した伏見の月桂冠さんの次に、魚三楼さんに伺いました。
魚三楼さんは江戸時代の1764年に高級魚専門の料理屋として創業しています。
伏見港に揚がる瀬戸内の魚や京野菜、豊かな湧水「伏水」を使った京料理を提供していました。
伏見港というのは1950年代頃まで京都と大阪を結ぶ水運の拠点として栄えた河川港で、元々は豊臣秀吉が要衝の拠点として発展させたところです。
そんな伏見は幕末の舞台にもなり、幕末期には坂本龍馬が伏見港の船宿である寺田屋を常宿としていたのは有名です。
そんな魚三楼さんの玄関脇には鳥羽伏見の戦い跡が残っていました。
9代目当主となる荒木稔雄さんから、時代のニーズに合わせて変化を上手く取り入れて、250年間継続してきた強みや秘訣を伺ってきました。
先程ご紹介したようにこのエリアは歴史とのつながりが深く、それだけでも興味深く伺ったのですが魚三楼さんは高級路線を守ることでいわゆるブランド化戦略を取っていたようです。
そのために、味や品質への徹底したこだわりを持ち、常に研究する姿勢は今も続いています。
そして、伝統を未来につなげていくために料理を数値化しているそうです。
料理を科学しているんですよね。
そうやって味や品質については科学を取り入れながら、見せるセンスや心の部分を磨くために
社員にはお茶を習わせているそうです。
荒木さん曰く、お茶の道には様々な日本文化が凝縮されていると言います。
作法やおもてなしの精神、上流階級とのつながりも体感できる。
そんな様々な取り組みを通じて、老舗企業として未来への承継を目指していました。