コーチングスキルをマネージメントに活用する
昨日は大変お世話になっているクライアントでの会議がありました。
いろいろな課題がある中で、皆さん一生懸命に知恵を絞り、
様々な案について意見を出しあって最終案をまとめていきました。
ちなみに、この会社が以前の状態だったら、
誰かが話しているところを遮って、違う、違う、
そうじゃなくてと話し始めてしまう傾向がありました。
今もたまにそういうところはありますが、
昨日の会議ではそれぞれ参加者が人の意見をまずは聞いて、
その上で自分の意見を伝えるようになってきました。
これはコミュニケーションにおいて極めて重要なことです。
そんなこと当たり前のことだと思われるかもしれませんが、
意外にこれができていないケースが多いのです。
皆さんの日常を思い出してみてください。
例えば、あなたにメンバーがいるとします。
かなりテンパっているときに自分のメンバーから、
ちょっといいですかと言われたときの反応はどうしますか?
あなたはPCや書類を見ながら、
メンバーの顔も見ずに、何?と返事をしてしまいませんか?
あるいは、時間が無く、すぐに結論を出さなきゃいけない時の会議で、
メンバーの的外れな発言への反応はどうでしょうか?
結局、何が言いたいんだ、とか、
そんな答えは聞いていない!となったりしませんか。
状況にもよると思いますが、これでは、当然、聞いているとは言えませんよね。
この、まずは相手の意見を聞くという姿勢は、
いろいろな意味で重要な意味を持ちます。
これは、何もメンバーとの会話だけでなく、
上司、取引先、家族との会話、コミュニケーションにおいても同じことです。
そして、これがコーチングスキルにおいても最重要なスキルの一つとなります。
不思議なことに、世間では、話し方のスクールや本はたくさん出ていますが、
聞き方についてのスクールはあまり聞きません。
しかし、すべてのコミュニケーションの要としてこの聞くスキルは重要です。
ちなみに、あるクライアントとのコーチングにおいて、
私はそのとき、ただ、聞くだけでのセッションだったのですが、
そのコーチングが終わったときに、
今日は素晴らしいコーチングでしたと涙を流して喜ばれたことがありました。
それほど、聞いてくれることは人にとって嬉しいことであり、
大げさに言えば自分の存在を認めてくれたと感じることすらあります。
また、人は話すことで、自分の気持ちを整理することができ、
その言葉によって自分自身の気持ちを確認し、
時として決心を固めることができます。
これをコーチングでは、オートクラインと呼んでいます。
ですから、
まずは、相手の方をきちんと向いて聞く、
相手の言葉にうなずく、
時として、相手の言葉を繰り返して確認するといったことを心がけるだけで、
相手との関係性が劇的に改善することがあります。
ぜひ、試してみてください。
メンバー、上司、取引先、家族との会話をする際に、
これまでより少しでもいいので、
相手の話をきちんと聞くということを心がけてみてください。
それだけで、何か変化を感じるかもしれません。