先日ある大手メーカーの幹部候補生向け研修のために愛知に行ってきました。
こういった研修をより効果的にするためにいろいろと資料を作成しているのですが、マネジメントやモチベーション、自律といったことを説明するときに私が比較的よく使うのがマズローの欲求5段階説やグラッサーの5つの基本的欲求です。
マズローの欲求5段階説は有名なのでご存知だと思います。
人間には5段階の「欲求」があり、1つ下の欲求が満たされると次の欲求を満たそうとする基本的な心理的行動のことですよね。
生きたいといった生理的欲求から始まり、安心安全でいたいという安全欲求が強くなりそこが満たされると愛や所属といった社会的欲求を満たしたくなり、満たされてくると承認欲求が強まります。
そしてそこまで満たされてくると自己実現欲求を満たそうとするという理論です。
これはこれで、わかりやすいですよね。
安心安全な環境がない危険な状況では、社会的な欲求や承認欲求はなかなか出てきませんし、ましてや自己実現欲求にはなりにくいです。
これは会社などでも言えることで、安心安全な環境を作ることはもちろん、所属をしたいという良い組織を作り、きちんと承認しあうことで自律して行動できる社員を育成できます。
しかし、多くの企業では管理中心の堅苦しい組織や業務中心で人を見ていない組織を生み出し、公平で充分な承認ができていないのに、やれ、社員が自律していない、成長しようとしないと不満を口にされます。
その観点から日常のコミュニケーションや、承認・傾聴の重要性をお伝えしていますが、なかなか理解が進んでいかないことも多くあります。
もちろん、その会社ごとにいろいろな問題や原因が複合しているので単純な話ではなく、組織の問題、経営の問題、社員の問題等を丁寧にほぐしていく必要があります。
いずれにしても、会社においても日頃のコミュニケーションにおいて、人の欲求を理解して対応していくことはいろいろな意味で有効となりますよね。